とよたストーリー

ゼンマイ式蠅捕り器

漢字で『蠅取器』と表記して『ハイトリック』と読ませる。これは、『high-trick』 でありましょうか?  大正の初めの頃に世に出た製品としては、なんともハイカラなネーミングだ。

海外輸出の折の製品名は 『automatic fly trap』 。製品広告のうたい文句には、「蠅は病毒黴菌の媒介者にして衛生上頗る危険なるものなり。

一、ハイトリックは、自動回転作用にて蠅を獲る、至極体裁良き器械なり。
一、ハイトリックは、蠅を多く獲ることは驚く可き程にして、従来在り来りの品の如く、不潔なることなく、1台あれば、永久用い得るものなり。」とある。

時計産業の盛んであった名古屋で、製品化され世に出た製品で、掛け時計のムーブメントを利用し、直方体を時計の秒針のごとく、60秒に1回転させるという 非常にゆっくりと動かして蠅を捕獲するという仕組み。ゼンマイを目一杯巻いてやると、4時間強動き続けた。

ハイトリックは、1924(大正13)年の広告には1台39円とあり、安いものではなかった。同時期、エルジン製ニッケル側鉄道時計が、20円25銭であったと記録にある。

ハイトリックは普通の家庭ではなく、料亭などでインテリア小物として扱われていたのであろう。


東海民具学会      岡本 大三郎

ゼンマイ式蠅捕り器

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