とよたストーリー

茅のいま

戦後の生活様式の変化とともに、茅葺き民家や茅の農業利用は失われ、茅場も姿を消していきました。
明治期には、茅場や草原が国土の約30%を占めていたといわれていますが、今日では2~3%になっていると推測されています。

草原には火入れや刈取り、放牧といった、人の営みによって維持されてきた生態系があります。その一員である植物や昆虫などの生きものの中には、茅場の減少とともに、絶滅の危機に瀕しているものもあります。日本人に身近な秋の七草や、日本最小の野ネズミであるカヤネズミなどもその一つです。

茅葺き民家は、自然や暮らしとつながっています。囲炉裏やかまどの煙は屋根裏を通って排気され、室内や敷地内の空気を循環させるとともに、茅葺き屋根を長持ちさせます。

数十年にわたり家屋を風雨から守った茅は、葺き替えで交換されます。すり減ってボロボロになり、屋根から降ろされた古茅は、田畑にすきこまれ、速やかに土に還ります。そして土壌を豊かにし、人々に田畑の恵みをもたらしてくれます。茅は完全な循環型の材料です。

今日、私たちが世界的に直面している生物多様性や廃棄物などの問題を解くヒントが、茅にはあるのではないでしょうか。

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